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2024.12.12

環境省がブルーカーボンウェブサイトをリニューアル

環境省がブルーカーボンウェブサイトをリニューアル

2024年12月環境省はブルーカーボンウェブサイトをリニューアルしました。

ブルーカーボンは、沿岸や海洋の生態系が光合成を通じて二酸化炭素(CO₂)を吸収し、その炭素が海底や深海に蓄積される現象を指します。この概念は、2009年に国連環境計画(UNEP)の報告書で紹介され、地球温暖化対策の新たな手段として注目されています。

ブルーカーボンの主な吸収源は、以下の「ブルーカーボン生態系」と呼ばれるものです。

  • 藻場(海草・海藻):アマモなどの海草は浅い海域で繁殖する海産植物で、海藻はワカメやコンブなど、胞子で繁殖する藻類が含まれます。これらは二酸化炭素の吸収に重要な役割を果たしています。
  • 塩性湿地・干潟:干潮時に干上がる潮間帯の砂質や砂泥質の浅場を干潟といい、塩性湿地ではヨシなどが茂り、海岸や河口付近に形成されます。
  • マングローブ林:熱帯や亜熱帯地域の汽水域に生息する樹木で、特に鹿児島県以南の日本でも分布しています。

これらの生態系は、CO₂の吸収源としてだけでなく、水質浄化や水産資源の活性化、教育やレジャーの場の提供など、多面的な価値を持ち、私たちの生活に多くの恩恵をもたらします。そのため、ブルーカーボン生態系の保全活動は、地球温暖化防止に加え、生物多様性豊かな海の保全や地域社会の活性化にもつながります。

日本においても、ブルーカーボンの取り組みが進んでいます。環境省は2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、海洋生態系を活用したCO₂の吸収と固定に取り組んでおり、地域での調査や試験栽培などを実施しています。例えば、青森県、静岡県、福岡県の3地域では、自治体や漁業関係者、民間企業が連携して取り組みを進めています。また、2024年には海草藻場と海藻藻場によるCO₂吸収量を算定し、国連に報告する成果もありました。

ブルーカーボン生態系の価値はCO₂吸収だけでなく、海洋生物の産卵・保育場、水産資源の活性化、観光や地域経済の発展など多岐にわたります。そのため、生態系の保全と再生は、未来に豊かな海を引き継ぐことにつながります。

ブルーカーボンは、地球温暖化対策としてだけでなく、私たちの生活や地域社会に多くの利益をもたらすものとして期待されており、その保全と活用の推進が求められています。

環境省認定制度脱炭素アドバイザー・アドバンスト資格であるJCNAカーボンニュートラルアドバイザー・アドバンスト資格を運営するJCNAでは、ブルーカーボンへの取り組みは中小企業にとってビジネスチャンスでもあると考え、脱炭素経営の一つの手段であることを訴えてまいります。


JCNAでは、環境省認定制度脱炭素アドバイザー・アドバンスト資格であるJCNAカーボンニュートラルアドバイザー・アドバンスト資格の認定を開始しました。 本資格を取得することで、中小企業の脱炭素経営に必要な知識を得ることができます。 資格の詳細へ

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