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2024.12.31

自由民主党が「第7次エネルギー基本計画の策定に向けた提言」を発表

自由民主党が「第7次エネルギー基本計画の策定に向けた提言」を発表

自由民主党政務調査会の総合エネルギー戦略調査会は、2024年12月10日に「第7次エネルギー基本計画の策定に向けた提言」を発表しました。この提言は、エネルギーの安定供給、経済成長、脱炭素化の同時達成を目指しています。重要なポイントを以下に記載します。

基本的考え方

日本はエネルギー自給率が主要先進国中で最低レベルであり、特に東日本大震災以降、化石燃料への依存度が高まっています。この脆弱性が国際的なエネルギー危機により再認識され、エネルギーの安定供給を最優先すべきとされています。特定の電源や燃料源への過度な依存を避け、バランスの取れた電源構成を目指す必要があります。同時に、気候変動問題への対応も重要であり、脱炭素化を進めつつ、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時達成を図ることが求められています。特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)の進展に伴う電力需要の増加に対応するため、脱炭素電源の確保が日本の経済成長と産業競争力に直結するとの認識が示されています。

計画策定に向けて踏まえるべき点(特に注目すべき点のみ)

  1. 脱炭素電源の拡大に向けた事業環境整備: 発電事業は長期的な視点が必要であり、事業者の投資回収の予見可能性を確保するため、国が責任を持って事業環境の整備に取り組むべきとされています。再生可能エネルギーや原子力など、エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源の最大限活用が必要とされています。
  2. 原子力: 安全性の確保を大前提に、既存の原子力発電所の再稼働を国が前面に立って加速すべきとされています。また、次世代革新炉の新規建設や技術開発を進め、国内のサプライチェーンや人材の維持・強化に取り組む必要があるとされています。
  3. 再生可能エネルギー: 主力電源化を徹底し、地域との共生や国民負担の抑制を図りながら、系統整備や調整力の確保、長期安定電源化に取り組むべきとされています。特に、屋根設置型太陽光発電の導入拡大や、国産技術の開発・事業化を進めることが重要とされています。
  4. 火力発電の低炭素化と化石燃料の確保: LNG火力を低炭素電源として位置づけ、活用していくべきとされています。また、非効率な石炭火力のフェードアウトを進めつつ、高効率な火力発電の活用や老朽火力のリプレース、水素やアンモニア、CCUS(炭素回収・利用・貯留)などの技術を活用した脱炭素化を推進する必要があるとされています。
  5. 国際連携の推進:アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)の枠組みを利用して、プロジェクト推進やルールづくりを進めていく。
  6. GX2040ビジョン・地球温暖化対策計画との連携:10年間で20兆円規模の投資促進を行い、官民合わせて150兆円超の投資を生み出す。GX製品の価値が適切に評価される市場創造を行う。

JCNAの見解

この提言は、日本のエネルギー政策における現実的かつ多角的なアプローチを示しており、エネルギーの安定供給、経済成長、脱炭素化の同時達成に向けた具体的な方策を提案しています。環境省認定制度脱炭素アドバイザー・アドバンスト資格であるJCNAカーボンニュートラルアドバイザー・アドバンスト資格を運営するJCNAでは、政策の変化に注視し、脱炭素のための政策が実効性のあるものとなるよう普及活動を続けてまいります。


JCNAでは、環境省認定制度脱炭素アドバイザー・アドバンスト資格であるJCNAカーボンニュートラルアドバイザー・アドバンスト資格の認定を開始しました。 本資格を取得することで、中小企業の脱炭素経営に必要な知識を得ることができます。 資格の詳細へ

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