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経済産業省が「GX率先実行宣言」を新たに創設

経済産業省は、2024年12月に脱炭素と経済成長を両立するグリーントランスフォーメーション(GX)を推進するため、「GX率先実行宣言」を策定しました。 この宣言は、GX製品の市場形成に向け、需要側からの積極的な取り組みを促進することを目的としています。
背景と目的
GXの実現には、幅広い業種での取り組みとサプライチェーン全体での脱炭素化が不可欠です。しかし、GX製品は従来の非グリーン製品と比べて生産コストが高く、需要の自律的な拡大が難しい場合があります。そのため、政府は供給側への支援措置に加え、需要側からの市場創造に向けた取り組みを加速化するため、本宣言の枠組みを立ち上げました。
宣言の意義
本宣言は、GX製品の需要家を積極的に評価し、その競争力を高めることで、サプライチェーン全体でのGX推進を目指しています。具体的には、需要家の取り組みを可視化し、金銭的・非金銭的な評価を通じて、GX製品の市場形成を促進します。
対象となるGX製品・サービス
宣言の対象は、以下の要件を満たすGX製品・サービスです。
- 利用者の温室効果ガス排出削減(Scope1~3)に貢献するもの。
- 従来製品の製造とは異なる設備投資等を必要とするもの。
- 該当性を一義に判断できるもの。
具体的には、グリーンスチール、グリーンケミカル、低炭素水素、持続可能な航空燃料(SAF)などが挙げられます。
宣言のグレード要件
宣言には、企業の取り組み状況に応じて複数のグレードが設けられています。これにより、各企業は自社の状況に応じたグレードを選択し、幅広い業種・企業が宣言しやすい設計となっています。
今後の展開
本宣言は通年で受け付けており、GXリーグ事務局が宣言の事務局を務めます。また、宣言の対象製品は今後拡大予定であり、2025年度にはGXリーグ内で継続的なワーキンググループを立ち上げ、市場創造に取り組む企業が参画する予定です。
本宣言を通じて、需要側からの積極的な取り組みを促進し、GX製品の市場形成を加速させることで、日本全体でのGX推進を図ります。
JCNAの見解
環境省認定制度脱炭素アドバイザー・アドバンスト資格であるJCNAカーボンニュートラルアドバイザー・アドバンスト資格を運営するJCNAでは、本「GX率先実行宣言」は様々なカーボンニュートラルに関する企業の取り組みの声明が出される中で、統一され整理された宣言方法が確立することは、グリーンウォッシュを防ぎ消費者から理解がされやすいという点で価値が高いと考えています。
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