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2024.12.15

気象庁が大気中二酸化炭素濃度の経年変化を発表

気象庁が大気中二酸化炭素濃度の経年変化を発表

気象庁の報告によれば、2023年の大気中二酸化炭素(CO₂)世界平均濃度は420.0ppmで、前年から2.3ppm増加しています。これは、産業革命前の1750年の約278ppmと比較して51%の増加を示しています。

気象庁が綾里、南鳥島、与那国島で行っている観測によると、これらの地点すべてでCO₂濃度は季節変動を伴いながら増加傾向にあります。夏季には植物の光合成が活発になりCO₂濃度が低下し、冬季には植物の呼吸や分解活動が優勢となり濃度が上昇します。特に、北緯39度に位置する綾里では、北半球中高緯度地域の陸上生物圏の活動の影響で季節変動が大きくなっています。

与那国島と南鳥島はほぼ同緯度に位置しますが、冬季には与那国島のCO₂濃度が高くなります。これは、冬季にアジア大陸からの季節風によって、人為起源の排出や植物の呼吸・分解活動でCO₂濃度が高まった大気が与那国島に流入しやすいためです。

CO₂濃度の年増加量は一定ではなく、エルニーニョ現象の発生時期に増加する傾向があります。エルニーニョ現象により、熱帯域を中心に高温と少雨がもたらされ、植物の呼吸や土壌有機物の分解が促進される一方、光合成活動が抑制されるため、陸上生物圏から大気へのCO₂放出が増加します。例えば、2014~2016年のエルニーニョ現象時にはCO₂濃度の増加が顕著でした。

世界平均のCO₂濃度も同様に増加傾向にあり、北半球の中・高緯度帯で濃度が高く、南半球で低い傾向があります。これは、CO₂の放出源が主に北半球に多く存在するためです。また、北半球では陸域面積が広く植物活動が活発なため、季節変動の振幅が大きく、南半球では振幅が小さくなっています。

これらの観測結果は、CO₂濃度の増加が人間活動によるものであり、地球温暖化への影響が懸念されることを示しています。今後も継続的な観測と対策が求められます。

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気象庁:大気中二酸化炭素濃度の経年変化


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